私を介護の道に導いたのは、祖母の存在と後悔の想い

【女性×介護】をテーマに、過去~現在を知り、未来を創造する対談

今回は、子育てをしながら訪問介護のお仕事で活躍されている

ヘルパーステーション愛の手 南柏の武田可奈恵さんにお話を聞いてきました。


私を介護の道に導いたのは、祖母の存在と後悔の想い。

— 今年31歳を迎える武田さんは、2人の子供を育てながら訪問介護のお仕事で活躍されている介護業界の若者代表です。今日は、色々と教えてください!まずは簡単なご経歴からお願いいたします。
福祉系の専門学校を卒業してから特養に就職して働いていましたが、結婚と妊娠を機に退職。6~7年のブランクはありましたが、訪問介護で働き始めて現職です。

 — 10代で自分の人生を選択した点に非常に興味があります。なぜ、介護の道への進むことを決めたのでしょうか。
きっかけは、高校生の時に聞いた講演会だったと思います。保育士や幼稚園教諭になりたいという想いをずっと持っていましたが、その道へ進まなかった理由がその講演会だったんです。高齢化社会が招く深刻な課題の話はもちろん、保育士や幼稚園教諭の就職先がないという話に衝撃を受けたのを覚えています。それと、私自身おばあちゃん子だったのが影響しているかもしれません。おばあちゃんが病気で寝たきりになったんですね。入院中のおばあちゃんが介護士さんにオムツを変えてもらったり介助してもらっている姿をする見た時、自分の無力さに悲しくなったんです。今でも悔やまれる出来事です。あとはドキュメンタリー番組で見たヘルパーさんに影響を受けました。この仕事なら、おばあちゃんに出来なかったコトが出来る気がする。そう思いましたね。

 — そのきっかけに巡り合わなければ、こうして介護の道に進んでいなかったかもしれないことを考えると人生は何があるか分かりません(笑)子育てからの復帰後も介護を仕事に選んだ理由をお伺いしてもいいですか。
これもきっかけかもしれません(笑)友人が訪問介護の管理者をやっていたことがきっかけで声をかけてもらいました。介護の仕事に復帰したいと思えたのは、この仕事の楽しさとやりがいですね。それが忘れられませんでした。現場実習の時も、実際に働き始めてから辛いと思うことはたくさんありました。離職中のブランク期間が長くなればなるほど、介護職に復帰して体力的にもやっていけるか不安に思ったこともあります。それこそ、レジ打ちの仕事に興味を持ったり(笑)でも、楽しさとやりがいは他の仕事では得られないほどの満足感をもっていたので介護職に復帰して本当に良かったです! 

— 介護施設と訪問介護のどちらもご経験がありますが、どちらがご自身に合っていると感じますか?
子供がいない立場であれば、フルで働ける介護施設がいいかなと思います。実際私も、子供が成長したら介護施設で働きたいなと考えていたり(笑)また、訪問介護は生活介助、施設介護は身体的介護がメインになるので仕事内容が異なります。もし迷われている方がいるのであれば、どちらの業務に携わりたいのか、しっかり考えるべきですね。介護施設はフルで働けますが、夜勤もあるので体力勝負ですよ!

 — これからも介護の道を走り続けるんですね!ちなみに武田さんのように、若い世代の介護職の方で、一度現場を離れてから復帰されるケースは多いのでしょうか?
多いと思います。私の意見になりますが、やっぱり介護って楽しいんです。利用者さんと信頼関係を築いていく過程がとても楽しく、やりがいを強く感じます。初めてお会いした時の表情と、今とは良い意味で全く違ったりもするんですね。特に介護施設で勤めていると、毎日お会いするのでコミュニケーションを継続してとれることが利点です。もちろん、業務量が多いのは事実なのですが、ちゃんとコミュニケーションをとる時間が自分の工夫1つで作れるので、それが楽しさややりがいという言葉に直結しているんだと思います。

— では逆に、若い世代から選択されない職種としても介護職が認知されてしまっている現状がありますよね。それは何故だと思いますか?
やはり金銭面が大きいのかなと考えています。事業所によって賃金は異なると思いますが、施設だと夜勤に入らないと給料アップが中々見込めないとか、資格を取得していかないと厳しいなど、男性目線でいくと選択肢には入りづらくなってしまうのだと思います。私の専門学校時代の男友達は現場で働くという道ではなく、資格を取得してケアマネジャーとして働いていたり、共働き世帯だから好きな仕事を選択できる=介護職、そんな感じですね。

— 少し下世話な質問をします。武田さんは進路を決める際、給料に関する絶対条件はありましたか?
それは一切ありません!この仕事は、お金を稼ぐ手段としてではなく、本当にこの仕事にやりがいを感じ、楽しめる人でないと選択すべきではないし、続かないと思います。

— 力強いお言葉ありがとうございます!私は、職業の選択をする瞬間までに様々な業界の正しい知識を得ておく必要があるのではないかと考えています。良い意味でも悪い意味でも、あらゆる手段で情報を得ることができる時代です。正しい情報を得てもらうためにも、正しい情報を発信し続けることが大切だと思いますね。
そうだと思います。でも実際に働いてみないと分からないことは、たくさんあります。私自身、介護職に就く覚悟はしていても、初めての実習での体験は想像を絶するものでした(笑)その体験をした上で、この道を志すのかどうかを選択することも重要だと考えています。

— この業界は肉体的にも精神的にも辛いことが多いと聞いたことがあります。武田さんはどのような瞬間に感じたことありますか?また、そういう時はどのようにして解決しているのでしょうか?
体力面で辛いと感じたこともありますが、1番は信頼関係を築けない時ですね。こうした方がいいと私は思っていても、思うように介護をさせてもらえない時もありました。やっぱり精神的にダメージはありますね。今は訪問介護の仕事なので、車移動がメインです。気持ちを切り替えるタイミングは車中(笑)こうして辛かった時の話をしていますが、だからこそ、信頼関係を築けた瞬間の嬉しさは半端ないということを伝えたいです!その瞬間は言葉では言い表せないのですが、1枚壁が取れる瞬間を肌で感じることが出来るんです。もうガッツポーズですね(笑)


— 良いですね(笑)やっぱり若い世代のパワーは圧倒的ですね。介護の道を貫かれている武田さんは本当にカッコいい!でも正直、他の職種を経験してみたいなぁなんて考えたことはないのですか?
ないですね(笑)学生時代のアルバイトで色々なことをやってきたので、その欲はないのかもしれません。ガソリンスタンド、コールセンター、梱包や日雇い、ファミレスや居酒屋もやりました。あ、でもレジ打ちに魅力を感じています!!

— レジ打ち!振り切っていて面白いですね(笑)いつかぜひレジ打ちの仕事にもチャレンジして欲しいです!こうしてお話をしていて感じることは、武田さんのようにキラキラ輝く若い世代の人達が、『介護ってこうなんだよ!』と積極的に発信していく場を作るべきなのではないかということ。武田さん自らが熱い想いを発信したいと思ったことはありませんか?
それは思いません。この仕事は、自分が本当にやりたいと思わないと絶対に務まらない仕事です。稼ぎたいからとか、とりあえずやってみるとか、そういう気持ちでは無理だと思っています。そして、そういう気持ちは利用者さんに必ず伝わります。だから、あえて魅力を伝えようとは思ったことはありません。

— そうなんですね。私は武田さんを見ていて、なんて生き生きしているんだろうと感動しています。武田さんのような若い世代がもっとこの業界に増えていくことで、イメージチェンジはもちろん、業界全体に活気が出てくるのではないかと考えていました。
そうかもしれませんが、私はまだまだ勉強中なので(笑)でも、この業界で働く20~30代の若い世代はたくさんいますよ!あまり世間に知られていないだけだと思います。そういう意味では、今働いている若い世代に注目してもらえたら嬉しいですね。

— たくさんいるんですね!実際にその世代の方にお会いしたことがないのでビックリです。少し希望が見えてきました(笑)とは言っても、実際は人手不足で悩まれているのが現状ですよね。業界・職種未経験の方でも活躍できるような求人の打ち出し方をしている事業所が多いと思いますが、それについては何か思うことはありますか?
思うことは特にありません。ただ、そういう求人を見て興味を持った方が実際に働きだしたら、自分自身で違和感に気付くことがあるんじゃないかなとは思います。中途半端な気持ちでは決して出来ない仕事であり、誰でも出来る仕事ではないということを。その時にどう行動するかが大事だと思います。

— 気付くのは本人だということですね。深いですね。さすが、プロ意識が高いです。ちなみに訪問介護という仕事を通じてでも構いませんが、介護業界の1番の課題は何だと思いますか?
圧倒的に人手不足ですね。働き手が多すぎて困ることは今後もないと思います。ですが、矛盾したことを言うと、人が多いからといって良いことばかりだとも思いません。それは、『介護の質』が大事だからです。ちょっと楽しそうだから、時間あるからやってみようという感覚で介護業界に飛び込むのは難しいのではないでしょうか。訪問介護の仕事で言えば、限られた時間の中で、どれだけの時間でどれだけの業務をこなさなければならないのか、頭フル回転で考え実践に移さないといけません。介護の効率化も重要且つ、その質も大事なのです。1番目指すべきところは、質も上げつつ、人手を増やすことだと考えています。

— その通りですね。まずは、介護の担い手を育てていくことでしょうか。何より、この業界のイメージがあまり良くないのが現実です。介護業界に良い意味で興味をもってもらえるようにしたいですね。
イメージを変えることって、とっても難しいと思います。老老介護なんていう言葉が生まれ、このテーマを題材にしたテレビの特集が組まれることも多くなりました。それ以外にも、事件や事故などの情報だけが大きく取り上げられる。でも実際は先程もお伝えした通り、『こんな嬉しい瞬間があるんだよ』『こういうやりがいがあるんだよ』っていう話題もたくさんあります。事実として大変な現状を伝えることも大切だとは思いますが、それだけではなく違った視点での取り上げ方をされることに期待します。だって、介護は楽しいですから!!

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【安達のコメント】

『介護は楽しい!』この言葉を、キラキラした笑顔で何度も話してくれました。世間的にはマイナスイメージが定着している介護業界ですが、武田さんのように明るく前向きで、プロ意識の高い女性にお会いしたことで、この業界にも希望の光が見えたような気がします。このままではいけないことは、誰もが分かっているはずです。武田さんのように情熱をもって仕事に取り組まれている若い世代にもっと注目をし発信していくことで、介護業界全体のイメージアップに貢献していきたいと強く思いました。

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